【最終更新日:2020/05/08】

【過去記事】脊柱管狭窄症のお話4

>>【最新】自分の足でスタスタ歩こう。千里丘で脊柱管狭窄症を克服する

その4:自分でできる脊柱管狭窄症の対処法は?

脊柱管狭窄症の治療は医師によって行われるものです。ですが、脊柱管狭窄症の症状を改善させる為の取り組みは自宅でも可能です。言葉遊びになってしまうのですが「治療行為は医師が行うもの」なので自分で取り組む方法は「民間療法の一つ」になる訳です。

私達患者からすれば「この症状が楽になるなら何でもいい」というのが正直なところなのですが、ここら辺の細かい言葉を気にされる方も多いので解説しました。

方法1:体重のコントロール

ぎっくり腰や椎間板ヘルニア、腰椎すべり症なども同じです。体重コントロールの効果は本当に高いです。嘘みたいな話ですが「痩せただけで治った」という人も沢山います。これは決して大袈裟な話ではありません。それだけ背骨には体重による負担が掛かっているという事なのです。

また体重が軽くなる事によって脂肪細胞が縮小し、血管を圧迫する要素が減ります。それはそのまま血流促進に繋がりますし、血中脂肪の減少は「血液サラサラ」効果ももたらしてくれます。体重をコントロールするという事は本当に健康効果が高いのです。

方法2:運動習慣の改善

体重のコントロールに肩を並べる高い効果を期待できるのが「運動習慣の改善」となります。体重コントロールは脂肪量のコントロールとなりますが、運動習慣の場合は「脂肪燃焼」に加えて筋ポンプの活用による「血流促進効果」が大きくなります。

体重コントロールとは違ったアプローチでの脊柱管狭窄症の改善となりますので、両方の方法を並行して行うのが理想的です。どちらか一方に偏った取り組みをするよりも「5:5」の割合で取り組みましょう。

但し、間歇跛行などが起こっている場合は無理に取り組む必要はありません。その場合はまずは体重調整から入り、間歇跛行が収まってきた段階で少しずつ「できる範囲」で運動をしていきましょう。脊柱管狭窄症の改善で効果的な運動は「水中ウォーキング」や「ノルディックウォーキング」です。

方法3:腹圧の強化

脊柱管狭窄が起こる原因の一つは「腹圧の低下」です。いわゆる「お腹の筋肉コルセット」が十分に働けなくなってしまう事で腰が不安定となってしまうのです。不安定な腰は筋肉のバランスを失っていますので徐々に姿勢は歪み、脊柱管は狭窄を起こしてしまいます。

そこで「弱った腹圧を強化する」事によって腰の安定性を取り戻し、脊柱の安定性を戻してあげるのです。脊柱が安定する事によって脊柱管が狭窄を起こす理由が一つ減る訳ですので脊柱管狭窄によって起こっていた症状は改善をみえる事があります。

一つの要素の改善で「症状が全部消える」という事は少ないですが、自宅で取り組む場合は考えられる要素を一つ一つ変えていく事で「改善を積み重ねていく」事が大切です。

方法4:足腰の強化

脊柱管狭窄症が起こる原因の一つに「足腰の弱さ」があります。特に股関節周辺の筋力不足であったりバランスの崩れが目立ちます。股関節が弱ってしまうと必然的に膝関節にも影響は及んでしまいます。そして股関節と膝関節の問題はそのまま腰の安定性にも大きな影響を及ぼしてしまうのです。

ですので、腰の不安定性を改善させる為にも股関節~膝関節までの足腰をしっかりと強化する事は大切です。但し、脊柱管狭窄症は間歇跛行といった歩行障害が起こるケースが多いので「身体と相談をしながら取り組む」事が大切です。

とはいえ、間歇跛行が起こっているから「何もしない」という状態では今度は「廃用性萎縮」という現象が起こりだします。いわゆる「筋肉のリストラ」と呼ばれるものです。人間の身体はとても良くできており、「使わない筋肉=不要な筋肉=エネルギーを浪費するだけの無駄」という判断をしてしまいます。

その判断が下りるとどれだけ鍛え上げた筋肉であってもどんどん分解されてしまうのです。そうなると今度は「身体を動かすのが大変」「腰の安定性が更に崩れる」という二次災害の様な状況になってしまいます。ですので脊柱管狭窄症は向き合い方がとても難しい疾患と言えるでしょう。

歩行をするにはまだ不安が残っているが、足腰の廃用性萎縮も怖い。そんな時に取り組みやすい足腰強化があります。それは「ノルディックウォーキング」と「水中ウォーキング」です。脊柱管狭窄症の改善、リハビリにはこの二つがとても効果的で安全です。

詳細は別途行いますが、水中ウォーキングは「重力の負担が解消される」状態で「水圧による加圧効果」が加わります。つまり負担が軽くなったうえに疑似的に腹圧を外からかけてもらえるのです。更には水の抵抗で筋肉の動員が増加しますので脊柱管狭窄症にはとても良いリハビリとなります。

もう一つのノルディックウォーキングはポールを使う事によって「疑似的な4足歩行」を実現します。普通の歩行では腰下でのみ支えていた上半身の体重を両腕でも支える形になりますので、腰骨~股関節~膝関節に掛かっていた負担を減少させることができます。

また両腕の前足化によって「腹圧」がより作られますので腰の安定性が増加します。通常のウォーキングとは完全に別物の運動となるのです。安全性と運動効果を高いレベルで実現できる非常に優れた運動法です。

return top