【最終更新日:2020/05/05】

【過去記事】臨床から見る坐骨神経痛

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臨床から見る坐骨神経痛について述べたいと思います。

結論から言いますと、当院は症状や診断よりも「身体の状態」と「生活の状態」から導き出される仮説を重視しますので「参考」程度に受けとめる感じです。

坐骨神経痛は聞かなくても身体が教えてくれる

坐骨神経痛の症状は非常にわかりやすいです。

神経痛の経験者ならすぐに共感してくれると思いますが「炎症痛」と「神経痛」は全く別畑のものなのです。

初めて神経痛を経験した時は「何これ?」と恐怖する事も多いと思います。ですが「これが神経痛ね」と理解をしてしまえば自分の中で「区別」が容易になるのです。

だから患者様の説明を聞いていても「あ、それ坐骨神経痛だろうな」とすぐにわかるようになります。

後は実際に検査をしてみて患者様の反応で確認をする流れです。

神経痛は突然出てきて限定的な範囲に限る

神経痛の特徴は「発症条件を満たす」までは全く症状が出てこない事です。

嘘みたいに症状が消えます。炎症痛のように「弱くなる」じゃなくて「無くなる」レベルです。

それが発症条件を満たした瞬間に「ピーーーーン!」と突然起こります。

発症条件を外すと突然無くなります。これが神経痛の特徴です。

まるで電源のON/OFFの様にはっきりしています。

ですので炎症痛か神経痛なのかは分かりやすいのです。ただ私達は診断ができないので断定する事はできません。あくまで判断をするだけです。

お尻がピリピリは坐骨神経痛が多い

「お尻がピリピリします」

この自覚症状の場合は坐骨神経痛だと考えて大方間違いないと思っています。

殿筋に異常が出ているかもしれない。

そういう意見もあると思いますが、臨床で見る限りは「殿筋をしっかり使えている人」は稀です。逆に殿筋が抜けている人は沢山います。

確率論的にいってお尻のピリピリは坐骨神経痛を判断をした方が効率的だと考えています。

ただ、推測で施術に移行はせず必ず複数の検査で確認を取ります。

その結果、やっぱり坐骨神経痛だなと判断をすることが多いです。

坐骨神経痛であっても追うべきは「身体の異常」

当院では坐骨神経痛をはじめとした「神経痛症状」はあくまで結果部分だと考えています。

その結果に対してのアプローチ法というものは基本的にありません。

当院にあるのは「原因となる体の異常」へのアプローチです。

ですので、坐骨神経痛に悩む患者様の施術の場合もとにかく痛みの再現性を確認します。

  1. どの様な状態で神経痛が走り出すのか
  2. どの部位の姿勢変化で症状が増減するのか
  3. その境界線は何処にあるのか、どのあたりから症状が加速するのか
  4. 現在の関節の位置関係はどうなっているか?
  5. 現在の重心位置は何処にあるのか?
  6. 現在の筋バランスはどうなっているのか?

この検査の結果、何が坐骨神経痛を引き起こすトリガーとなっているのかが推測されます。

この仮説段階まで来れば、後は検証を進めていくだけです。

症状に変化が出ればそのまま継続をする。症状に変化が出なければ次の仮説を組み立てる。

どちらにしても一歩前進します。

後はその繰り返しです。

坐骨神経痛を早く改善する為にはとにかく「その原因」を絞り込む事。そしてその原因に適切なアプローチをする事。

そしてその原因とは「身体の異常」という形で必ず何処かに潜んでいます。

坐骨神経痛は重心を正常化すると改善していく

坐骨神経痛はそれ専用の施術やテクニックを用意するというよりも「重心位置の正常化」が結局は一番の近道であると考えています。

坐骨神経痛を引き起こしている原因疾患が何であれ、結局は重心が前後左右上下のいずれかにおいてズレており、それが筋肉の収縮・弛緩のバランスを崩すことで起こっている事が多いからです。

坐骨神経の圧迫・刺激を追いかけていくと最後には重心位置のズレや捻じれにぶつかってしまう。ならばその重心位置のズレを元に戻してあげるのが一番確実だと当院は考えています。

結局、身体の状態を正常にしてあげるという事ですね。

シンプルな理屈なのですがこれが手技療法の本質なのだと思います。

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