【最終更新日:2020/05/05】

カイロプラクティックの誤解を解きたい

カイロプラクティックの禁忌通達に関して

厚生労働省からの通達

良くインターネット上に「パキポキは危険だ」「カイロプラクティックは危険だ」という表記が出てきますが、その根拠となるものとして「医療類似行為に対する取扱いについて」という通達があります。

正しくは「各都道府県衛生担当部(局)長あて厚生省健康政策局医事課長通知」という早口言葉みたいな名称の通知となります。

ここにある「カイロプラクティック療法に対する取扱いについて」の項目です。これは「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」の為の研究会のレポートがベースとなっています。

「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」の著者一覧

まず、通達のベースとなる研究会のメンバーは以下の通りです。

  • 三浦幸雄:東京医大 機関
  • 石田肇:日本医大 機関
  • 大谷清:国立療養所村山病院 機関
  • 河端正也:虎の門病院 機関
  • 黒川高秀:東大 医 機関
  • 高瀬佳久:高瀬整形外科病院 機関
  • 信原克哉:信原病院 機関
  • 平林つよし:慶応大 医 機関

全員が優秀なお医者さんです。カイロプラクティックの歴史は世界の至る所で「既存の医学者との法廷闘争」が繰り広げられてきたというもの。その前提で見ると中立性は見込めなさそうなメンバーですね。。。。

カイロプラクティックを認めたくない業界の人達がカイロプラクティックを評価しようとするわけですから。

通達の内容について院長が感じた事

「カイロプラクティック療法に対する取扱いについて」で書かれている内容について率直に感じた事を述べたいと思います。

「医学的効果についての科学的評価は未だ定まっておらず」という点

研究会がどの様な研究・分析をしたのかは一度目を通したのですが忘れてしまいました。ただ一つだけ言えるのは「国外での医学的効果・科学的評価は定まっている」という事実です。そこが見事に抜け落ちているのです。

カイロプラクティックは欧米では医学であり学会もあれば研究も常にされています。何より日本の医学は海外での効果・実績・評価を輸入した物であるにも関わらずカイロプラクティックに関しては何故か海外の効果・実績・評価は参考にしないという立場になっています。

今でも医学的研究は海外を大いに参考にしているのにカイロプラクティックだけは別扱いの様です。何だかおかしな話ですよね。

「カイロプラクティック技術の効果は定まっているが、法制度の遅れによりカイロプラクターの質が安定していない」ならわかります。どうも「カイロプラクティック療術」とされる定義がざっくり過ぎて「頸椎矯正をする整体」までも含まれている様な印象です。

禁忌対象疾患について

通達では「椎間板ヘルニア」「脊椎すべり症」「側彎症」「不安定脊椎」「骨粗鬆症」「脊柱管狭窄症」「後縦靭帯骨化症」「変形性脊椎症」などの診断についてこう書かれています。

「明確な診断がなされているものについては、カイロプラクティック療法の対象にすることは適当ではない事」

これなどは恐らく「患部に直接アプローチをする」という前提の話になっていると思います。

実際に著者の方に聞いた訳ではありませんが、読めば読むほどに「カイロプラクティックの施術」を理解しているのかなと感じてしまう文章なのです。

恐らく著者の方達の中でも「カイロプラクティック=関節矯正」という固定観念があるのではと思います。そして同時に「患部に直接アプローチをするもの」という誤った認識があるのではないかとも感じます。

優れたカイロプラクターにとって「診断名」は参考情報に過ぎません。人間がつけた名称よりも実際の身体の声を聞くからです。重要なのは診断名より画像で確認する身体の状態です。

頸椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法

矯正に対しての様々な意見の根拠となるのは正にここです。頸椎矯正は禁止する必要があるという事を書いています。

これを読んだカイロプラクターは殆ど全員が首をかしげているはずです。「頸椎に対して急激な回転伸展操作ってどのテクニック?」と。

  • ロータリーブレーク?
  • サービカルブレーク?
  • マスターサービカル?
  • プルテクニックも含むの?

カイロプラクターの中でも「ロータリーブレーク」は回旋力が掛かるから危険だ、という意見はあります。ですが実際の矯正圧はロータリーブレークであっても直線状にかかるものです。結果的に回旋力として伝わるだけの話です。

頸椎に急激な伸展を加える矯正はありません。どの教育機関でも頸椎矯正の際には伸展はしない、しても最小限に抑えるといった教育がなされています。

これも恐らく著者の先生は「首の矯正」というカテゴリまでしか理解をしていないのではないかと感じます。

海外で発表されているスラストの事故リスク

参考までに頸椎アジャストメントによる脳血管障害の事故リスクについてですが、一般社団法人日本カイロプラクターズ協会の調べによると

  • 40万回に1回
  • 100万回に2~3回
  • 100万回に1.46回
  • 130万回に1回
  • 585万回に1回

といった数値が発表されているそうです。かなり幅が広いです。一番確率が高い40万回に1回として考えると0.00025%の事故リスクです。

医療事故に比べるとどっちが高いといえるでしょうか。

良くある「結論ありき」の研究会にしか見えない

この研究会が国に提出をしたレポートは「三浦レポート」と呼ばれているものですが、余り評価の高いものではありません。やはり様々なところから反論が出ています。

その反論に対しても特に聞く耳を持っていない様子からも「ああ、やっぱり出来レースだったのかな」というのが院長の見解です。というかメンバーが全員医者という時点で結果は見えていたと思います。

カイロプラクティックは健康保険という政治的要素が絡む

カイロプラクティックは代替医療である以上、法制化の時点で健康保険適用の問題が出てきます。それは医師会も柔整師会も絶対に防ぎたいところです。同じ理由で国外でも同じ様に法廷闘争が繰り広げられてきました。

ですので今後も国内でカイロプラクティックに対する前向きな研究データが出る事はまずないでしょう。例え海外でカイロ大学を出たカイロプラクターが集まったとしても日本では「ただの人」です。

どんなデータを発表しようとしても「発表の場」がまずありません。自分達で作ったとしても「法の外側」のままごと扱いにされます。

日本が道州制であれば少しは変わったかもしれませんが、今の日本の仕組みではカイロプラクティックが法制化されるのは難しいでしょう。

結論:施術側の問題をカイロプラクティックの問題に置き換えている

結論から言うと「未熟な施術家」の問題をそのまま「カイロプラクティック」という技術にすり替えてしまっているのが一番の問題だと思います。そして「施術家の問題を解決する気が無い」というのも厄介なところです。

解決をしたらしたで法制化を後押ししてしまいますからする訳ないですよね。本音と建前が見え隠れしているのが今の状況だと思います。

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