【最終更新日:2017/07/12】

何故、全身調整に拘るのか?

何故、全身調整が基本となるのか?

当院で取り組む施術は基本的に「全身調整」となります。

  • 「腰だけして欲しい」
  • 「肩だけして欲しい」
  • 「首だけして欲しい」

という要望も実際には多いのですが、デメリットとして「すぐに戻る」という現実があります。

身体に異常が起こった場合、初期の段階では「特定部位」だけの施術で嘘のように痛みが取れるケースが多いです。

ギックリ腰などはその代表例です。

ですが、それはあくまで急性のものであり、慢性化していない前提の話です。

慢性化している違和感や痛みの場合は、全身での代償作用が複雑に絡み合っている状態ですので、自覚症状のある部位だけを戻したとしても、結果的に再び元の状態に戻ろうとする働きに飲み込まれてしまうのです。

これは操体法の橋本先生が定義された「不自然の自然」と呼ばれる状態です。

所謂身体の「セットポイント(基準値)」がズレている状態です。

セットポイントについてはこちら

[bc url=”https://www.toshi-chiro.net/archives/3009″]

不自然ながらも自然に近い状態を維持する「不自然の自然」

代償作用とは不自然ながらも「なるべく自然に近い状態」を保とうとする無意識のバランス調整力です。

これも立派なホメオスタシスの一種です。

この無意識のバランス調整力を無視して、特定部位だけ調整をしたとしても「全体」で捉えてみると「正常に戻した部位」が逆に「異常個所」となってしまう訳です。

一部だけが正常な状態とは「極めて不自然」な状態になってしまうんですね。

正にバランスが崩れてしまった状態です。

だから再び「精一杯のバランスが保てていた不自然の自然」状態へと身体は戻ろうと働きます。

このメカニズムを臨床で日々目にしていると、部分調整をする事の意義が見当たらなくなりました。

  • 部分調整は楽にはなる。
  • でもすぐに戻る。
  • 戻る理由もはっきりわかっている
  • でも、患者様が部分施術を求める事も多い

保険診療に比べて割高の費用を負担して頂いているのにこれでいいのだろうかと悩みました。

その結果、当院は部分調整は余程の希望が無い限りは避けて、基本は「全身調整」による施術となっています。

患者様に「納得が大事」と伝えているのに、施術家自身が納得しない施術を提供する事に意味は無いと思うのです。

自費診療は最後に選択される場所。

当院が「全身調整」に拘る理由はまだあります。

それは「代替医療は最後に選ばられる場所」だからです。

シンプルな部分調整で改善・維持できるレベルの患者さんは殆ど来院されません。

その様な初期の段階の方は間違いなく「保険診療」の院・病院へ足を運ばれますし、そこで改善されます。

そこでどうにもならないから、最後に「自費診療」にまで選択の幅を広げる。

これが普通の患者さんが辿るルートです。

私だってヘルニア患者時代はそうでしたから良くわかります。

「もう、ここしか残っていない」

だから自費診療を選ばれた方が殆どなのです。

痛みの駆け込み寺、最後の砦として来院された患者様を裏切らない為にも、やはり全身調整は避けて通れないと考えています。

来院された時には「心身とも絡まった毛糸」の状態が殆ど

94fe3881cb98739e959072e16c233244_s

色々な保険診療の院を巡ったものの、どうにも改善しない。

かといってこのままの状態は辛いから、一か八か賭けて来てみた。

口コミで来院される方であっても、紹介で来院される方であっても、初めての手技療法に対してはこのような気持ちで来られます。

「海のものとも山のものともわからない」

これが率直な気持ちなのです。

一言でいえば「疑心暗鬼」みたいな感じですね。

期待半分、諦め半分。

でも、今のままでは居たくない。

そんな不安と焦りが入り混じった状態です。

そんな時に技術一本でバーンといく先生もいらっしゃいますが、当院は基本的に最初は「相互理解」を大切にします。

「何をされるかわからない」

という気持ちでは身体が余計に固まるだけですし、それは結局「施術効果を引き下げる」事に繋がってしまうからです。

だから、慌てず焦らず、確実に身体に変化を与えて同時に変化を感じてもらう為に全身調整を行います。

絡まった糸は互いに絡まりあっている

c185a764e7850048d2c295fa87eeb888_s

全身調整に拘る一番の理由はここです。

慢性化した患者さんの身体を「絡まった毛糸」と表現をしましたが、その絡まり方が非常に厄介です。

一か所で、一つの原因で毛玉のように絡まっているなら良いのですが、慢性疾患でそんな例は殆ど見たことがありません。

まず例外なく「上下左右の至る所で複雑に絡まりあっている」状態です。

これが「代償作用」の代償だと僕は思います。

身体は互いに代償しあう事によって何とかバランスを保っているものの、それぞれが小さな無理を重ねており、互いに足を引っ張りあっています。

人間でいうなら筋肉の代償であったり、関節運動の代償であったり、果ては骨盤や肩甲骨といった骨格の代償であったり。

どちらか一方が原因なのではなく、互いに原因となっている状態です。

これを本来の姿に戻す為には一つ一つ丁寧に調整をしていくしかありません。

数か所だけ調整をして、後は身体の治癒力に任せるという選択肢もあると思いますが、割高な費用を負担して頂いている以上は、可能な限り施術によって「元に戻す」事が施術家の義務だと私は思います。

だから、当院では基本「全身調整」の施術を提供しているのです。

    return top