【最終更新日:2019/01/06】

不眠症について

はじめに

10代から20代・30代の女性に非常に多くなってきています。特に10代、20代の女性の不眠症は「スマホ」と「運動不足」が明らかに目立ちます。一方の30代の女性の場合は「仕事上のストレス」「家族の問題」「地域の人間関係」などの心的ストレスが目立ちます。

原因こそバラバラですが、取るべき方法はいずれも同じで「原因に対してアプローチをする」です。

1.不眠症を知る

不眠症とは「睡眠障害」と呼ばれる事が多いですが、早い話が「眠れない」という事です。主に4つのタイプに分類されます。

  1. 入眠障害:中々寝付けない
  2. 中途覚醒:深夜にパッと目が覚めてしまう
  3. 早期覚醒:朝早く起きてしまう。周囲からは「おじいちゃんか!」と言われる事も。
  4. 熟睡感欠如:いわゆる「寝た気がしない」

基本的には「私はこれだ!」と当てはまるケースは少なく、「これとこれが当てはまるなぁ、、」と複数の項目が重複する事が多い事が特徴です。

ちなみに「重なるから重症」という事はありません。重なる方が普通です。

2.不眠症の原因について

こういった睡眠障害はどうして起こるのか?様々な要因が考えられる為に「これだ!」という原因は現時点では明らかになっていません。いわゆる「共通する原因はまだ不明」となっています。

ですが、臨床において見る限りは「明らかにこれだろう」と思い当たる要素は結構あります。

  • 明らかな運動不足
  • 交感神経優位の状態
  • 向き合う現実からのストレス、プレッシャー

※時差ぼけ、痛くて眠れない、痒くて眠れない、徹夜が多い、等は原因が明らかなので睡眠障害とは考えていません。

当院で相談を受けた内容に限ると、ほぼ9割はこのいずれかの要因でした。どれが一番多いというのは無くて、重なり合っているというのが実感です。

原因1:明らかな運動不足

若い世代になればなるほどにこの傾向が高くなります。圧倒的な運動不足です。特に中高生ですら今は電気自転車が当たり前になってきました。階段は家くらいしか使わず、外ではエスカレーターが普通となっている生活。その上スマホによって動く時間より「止まる時間」の方が圧倒的に増えてきています。

原因2:交感神経優位の状態

今までは「ストレス」等の環境からの影響で自律神経のバランスが崩れるケースが多かったですが、今の時代はそこに加えてスマホの影響が大きくなってきました。特に寝る前のスマホ、寝起きのスマホが自律神経を大きく刺激します。

今、最も勢いある睡眠障害の原因がスマホです。「WHOがネットゲーム依存を疾病指定」というニュースが世界を駆け巡りましたが、本当に注意すべきは「IP端末」です。ネットゲームはIP端末の1つの利用形態に過ぎません。それ以外にもYoutube、huluなどの動画サービス中毒、Lineなどの無料通話アプリなど、様々な「中毒」が溢れています。

そしてそれらは間違いなく交感神経優位の状況を常に作り出し「睡眠障害」を引き起こしています。どうも経済と密接に繋がる部分は余り槍玉にあげられないのが現実なのでしょうね。ですが、スマホによる睡眠障害は非常に多いです。

睡眠障害で入眠できない人、中途覚醒で目が覚めた人、更には早期覚醒で朝早く起きた人。いずれも今の時代は手に取るのは「スマホ」です。そして更に自律神経を刺激して交感神経優位の状態を作り出しています。概日リズムを崩し、睡眠障害をより強固なものにしているのです。

最近は「お風呂でもスマホ」という人も増えており、生活の中から「副交感神経のスイッチが入る瞬間」がドンドン減ってきています。その為に「緊張が抜けない」状況にある人が増えているのです。

原因3:向き合う現実からのストレス、プレッシャー

これは従来から多い原因です。「告白しようか迷っている」「告白したら振られた」「次のテストで推薦が決まる」「絶対に落とせない試験」「昇進試験が近い」「合格発表が来週」「要精密検査の連絡がきた」「検査結果が来月になる」など、逃げようのないプレッシャーが大きなストレスとなって圧し掛かってきます。

原因不明にするのは「絞り込み」をした後でいい

睡眠障害は実際に悩んでいる人の話を掘り下げていくと必ず「あ、それかな」と思い当たる節が出てきます。本人が自覚していないだけであったり「それが睡眠障害になるの?」と結びつけていなかったりが多いです。ですので「睡眠障害と要因」を結び付けて対策をするだけで改善していく事も多いです。

その全ての消込が済んでもなお「変化が無い睡眠障害」がある場合、初めて「原因不明」にしても良いかなと思います。

3.不眠症を克服する方法

当院は手技療法のカイロプラクティック院ですので、睡眠障害で一般的に処方される「睡眠導入剤」に関しては詳細は述べません。「薬ではない別の方法」を模索・選択をするのが当院の役割だと考えています。

臨床から見る限り、多くの睡眠障害は比較的簡単に克服できます。方法論としては「考えられる要素を消し込んでいく」という「仮説ー実行ー変化の確認」の繰り返しです。これは腰痛や神経痛とも同じ流れです。

原因1:運動不足による睡眠障害の場合

運動不足からくる睡眠生涯の場合、その解消方法は「運動」となります。嘘の様な本当の話ですが、不眠症で悩む10代の子供さんを連れてきた患者様の場合、当院で取り敢えずした処置は「素振り100回」です。後は夜9時までは絶対に寝かせないようにとお伝えして施術は終了しました。

結果は「泥の様に眠っている」とのご連絡を頂きました。人間の身体には概日リズムという体内時計がありますが、それだけでスムーズに入眠できる訳ではありません。脳が睡眠を求める頃に適度に身体も疲れている状態にしてあげる事が大切です。

「頭は眠たいのに、身体が異常に元気で変な感じがする」という相談は10代~20代の男性に多いですが、その多くは「運動不足」によって脳と身体のリズムにズレが生まれているのだと思います。

ですので、学生さんの睡眠障害は「恋愛」と「人間関係」「テスト関係」「スマホ・ゲーム・パソコン」が絡んでいない場合はほぼほぼ運動不足でしょう。

原因2:交感神経の優位による睡眠障害

交感神経優位の状態から起こる睡眠障害は「スマホ」等のIT機器が関わっている事が非常に多いです。ですのでまずは「寝起きのスマホ」「就寝前のスマホ」「入浴中のスマホ」「食事中のスマホ」といった「スマホと一心同体」の生活を少しずつで良いので変えていく事が大切です。

昔は「ゲームは1日1時間」といった家庭ごとの決まり事がありました。TVにしても電話にしても「個人単位」では無かったので接触機会が少なかったのです。「スマホ」はそれを崩壊させてしまいました。それが現代の睡眠障害を引き起こしている大きな要因の一つです。

「入浴」「入眠前」は交感神経から副交感神経優位へと変わる大切なタイミングです。そのタイミングだけはゆっくりと心身をリラックスさせる方向に舵取りをしてあげましょう。効果が出るには個人差がありますが、変化は必ず出てきます。

原因3:向き合う現実からのストレス、プレッシャー

これは「ストレスの種類」によって一時的なものから慢性化するものまで様々です。

〇一時的なストレス

  • 好きな人に告白しようと決めた
  • 苦手な科目の試験が近付いている
  • レギュラーの発表までもうすぐ
  • 大事な試合が近付いてきた
  • 大事なプロジェクトの発表会までもうすぐ

こういったストレスは「その時が来た」時点でストレスから解放されますので睡眠障害は収まります。睡眠障害が起こるのは「どうなるかわからない」という不安が原因です。

これは自分から解決をしなくても「その時」が来れば勝手に解決しますので軽症と言えるでしょう。

〇慢性化するストレス

  • 告白したら振られた
  • 好きな人に恋人がいた
  • 嫌な上司と席が隣になった
  • 転勤先からいつ戻れるかわからない
  • ママ友と気まずい関係になった
  • 近所の人とトラブルになった
  • 義理の家族とうまくいっていない

これらのストレスは「明確な区切りが無い」ストレスなので積み重なっていきます。「いつまで続くのか」という事自体が更にストレスとなるので睡眠障害が悪化・慢性化しやすいです。

これらのストレスの多くは「自分の環境を変える」事で一気に解消する事ができますが、現実的にその選択肢を取れる状況に無いケースが殆どです。「引っ越しする訳にはいかない」「顔を合わせないわけにはいかない」「転職する訳にもいかない」といった「したくてもできない」状況にあるので厄介です。

この場合は迷わず家族に相談をしましょう。家族が相談に乗ってくれなかったら市のカウンセリングでも構いません。決して自分だけで抱え込まない事がポイントです。睡眠障害から「鬱」に移行すると回復までの時間がとてもかかってしまいます。

不眠症の多くは待っていても収まらない

臨床で見る限り、不眠症は「積極的に働きかけないと収まらない」という特徴があります。特に他者との関係が睡眠障害を引き起こしているケースは「自分が我慢していたら変わるだろう」「いつまでもこれが続く事はないだろう」と希望的観測のもとで凌ごうとするケースが多いです。

ですが、殆どの場合で「希望は通らない」結果に落ち着きます。それが何度かループする中で「この先ずっとこうなのかな」「いつまで辛抱したらいいんだろう」「何で私がこんな目に」と気持ちが徐々に擦り減ってきて「睡眠障害」から「鬱」へと移行するのです。

家族が問題と向き合いだすのはこのタイミングが一番多いです。状況的には「手遅れ」なんですね。睡眠障害の原因が「避けて通れないストレス」だった場合、ここまで自分を追い詰める前に周囲に声をかけ「助けとなる人」を探すようにしましょう。

睡眠障害も鬱も、周囲の理解を得るのは難しく、当事者がジリ貧となってしまう事が多い疾患です。

ガス抜きに当院の施術を利用される方も多いです。

睡眠障害の多くは「家庭」「地域社会」「職場」に問題の根本が潜んでいるケースが多く、カイロプラクティック院の施術で直接働きかける事は難しいです。ですが「心身のガス抜き」として活用される方は沢山います。

問題は解決していなくとも全身の調整をした後は1~2週間はグッスリ眠れるという方は多く「自分が壊れないようにしたい」と継続して来院されている方もいます。これは自分一人でどうにかできるストレス要因ではない場合に有効な方法です。

緊張している心身をリセットする事は出来る

社会の中に緊張の原因がある以上、施術でそれを根治するのは難しいです。ですが、今緊張している身体をリセットする事は可能です。ですので、すぐに解決が難しいストレス要因と向き合っている場合、睡眠障害が出始めていると感じた場合は一度ご相談下さい。

話せる範囲でご自身の置かれている状況を吐き出してしまうのも、肩の力がスッと抜けて楽になります。

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